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『両手で弾けない、苦手』なキーボーディストが持つべき発想

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ピアノ経験がまったくゼロの人がバンドでキーボードを弾いて見たい!

そう思ったら、必ず出てくる悩みが

「やっぱり両手で弾けないとダメかなぁ・・・」

 

子供の頃に、少しでもピアノをかじっていればまた違うのですが、本当に経験がない人がキーボードをやる場合は最初は大変です。

もちろん、それはギターやベース、ドラムなど他の楽器にも同じことが言えるのですが、そんな人へアドバイス!

「こと、バンド演奏においては、とりあえず「右手だけ」でも全然オッケー!」

この「バンド演奏においては」という部分が大事ですね。

 

千里の道も、一歩から!その理由を説明します。

実は右手重視のキーボードディストも多い

キーボードを弾く、と一口に言っても、実は色々な表現方法があります。

多くはキーボードを弾く=鍵盤を両手で弾く、というイメージで見られますが、必ずしもそうではありません。

ほとんど右手だけで演奏して、左手はボリュームや、ノブ、スライダーなどを使ってコントロールするスタイルの人もいます。

小室哲哉さんにしてもそうですが、音楽ジャンルによっても演奏で大事な部分は変わってきます。

 

そこで先ほど、

「バンドに演奏においては」と前書きしました。

バンド演奏は基本的な編成だと、ボーカル、ギター、ベース、ドラム、に加えてキーボードというのが一般的です。

つまり、この編成だとキーボードは「最悪いなくてもバンドが表現として最低限成り立っている場合が多い」のです。

何故ならば「ギターと言う存在がいるから」です。

 

ベースとドラムは全く別の立ち位置にいますが、ギターとキーボードは役割が似ている部分があります。

キーボードが入っている曲を、キーボード無しでアレンジしているバンドが存在するように、バンドにおいては「アレンジ」が重要なのです。

バンドにおける「アレンジ」とは?

アレンジというのは、編曲という意味ですが「曲を表現する上で各パートがどう弾くかを考えること」です。

例えば、コピーバンドをする時に、原曲を聞いて自分の演奏するパートを確認しますよね?

その時、今の自分では無理なフレーズが出てくることも当然あります。

 

簡単に例を挙げると

  • ギターソロ、リフの細かいニュアンス
  • 全てのキーボートパートを弾くのは無理
  • ドラムの基本パターン、フィルが複雑
  • ボーカルが高い音域が出せない

このように色々ありますよね?

そこでやりたいのが、「アレンジを簡単にする」というものです。

言い換えれば「自分たちが無理なく弾けるようなフレーズに作り直す、音を減らす、音域を変える」とも言えます。

簡単にアレンジし直す事の重要性

結論から書くと、

これは何も「自分が下手だから簡単なアレンジにする、という単純な意味ではない」ということです。

例えばプロでも、自分の弾きやすいフレーズにしたり、自分の解釈でアレンジしたりする人も多いんですよ。

そのほうが「自分らしい演奏が出来て、なおかつ感情を乗せれるから」ですね。

 

言ってしまえば、指の長さ、手の大きさ、使っている楽器の鍵盤数、違うんですね。

そう「今の自分に合ったアレンジ」でいいんですよね。

 

バンド演奏で大事なことは「楽しく演奏すること」です。

弾くことで精一杯になっていて、お客さんやメンバーを見る余裕もない状態よりも「なるべく余裕を持って演奏できる状態にする」という発想です。

それは視点を変えて言うなら

「自分の力量を知っている」という事です。

 

演奏動画でよくあるのが、弾けないのに無理に弾いて、文字通り譜面に弾かされてしまっている状態、というパターン。

それはフレーズを弾くだけで「表現までに至ってない」という事で、フレーズに感情を乗せる、フレーズを歌わせる、までに至ってないとも言えます。

もっと単純にいうと「そのフレーズを操れていない、自分のものにしていない」という感じですね。

 

少し偉そうなことを書いてしまいましたが、これは私も自分の力量を超えた曲に取り組む際に、とても自覚していたことでした。

もし、自分が演奏テクニックを向上させるために挑戦している、という自覚を持って取り組んでいる場合、これは必要な訓練なので大丈夫ですし、誰もが通る道だと思います。

しかし、そうでない場合におすすめしたいのが

「自分が無理のない範囲で演奏できるように取り組む」

これが出来ると、コピーやカバーをする時に気が楽になり、面白くなります。

キーボードが右手だけで弾けるようにアレンジする

少し話が脱線してしまいましたが、

キーボードが両手で弾けないとどうにもならない場面というのは、主に「バラードのピアノ」ですね。

例えばイントロやアウトロ、ソロなど、これは左手でベースパートやアルペジオを弾きながらでないと、原曲を表現しきれないことが多いです。

それでもその曲がやりたい場合は、鬼のように練習するのも一つの手ですが、バンドでアレンジを変えてもらう、のもアイデアです。

そう、助け合いですね。

 

イントロがピアノソロだけど、右手しか弾けないのであれば、

ギターにコードのアルペジオを弾いてもらって、右手でイントロのメロディをベルのような音色で弾く、とかでもいいのです。

大事なことは

「バンドメンバーが、メンバーの事情や能力を理解し、自分達らしいアレンジ、表現をすること」

それは言い換えれば「お互いが各パートで何をやっているかを理解している」とも言えます。

 

バンドをやる上で、他のパートが何をやっているかを把握出来る能力というのはとても重要です。

それは「うまく演奏出来ることとは、全く別の能力」だからです。

簡略化するメリットを考える

もう一つは冒頭で書いた通り、

キーボード以外でもアンサンブル的には成り立っていることが多いので、「存在感のある音色で、右手だけでしっかりとフレーズやリフを弾く」というだけでも十分にカッコいいのです。

下手に左手も無理に使ってキーボーディストしか分からないような細かいことをやるよりかは、右手だけで分かりやすくアレンジして表現する、という発想です。

 

昔、B'zのサポートキーボーディストである増田さんがインタビューでも言っていましたが

「難しいことをやめて、シンプルに右手だけで弾いてお客さんを見る余裕を持つ」

そのほうが結果的にライブは盛り上がる、ということです。

 

ただでさえ、ライブは緊張しますし、トラブルがつきものです。

普段なら問題なく出来る演奏でも、演奏中にボリュームのバランスがおかしいだけでも、一気にいつも通りに弾けなくなったりします。

なので、左手を無理に入れるよりも、右手だけにしておく、というのはある意味賢い、と言えますし、私もこれはよくやります。

キーボーディストは

「難しいことをやっている、というアピールしたい!」というプライドを捨てることができれば、いくらでも幅広いアレンジ可能なパート

完全コピーバンドであれば話は別ですが、そうでない場合は柔軟な発想で練習やアレンジに取り組みたいものです。

終わりに

今回書きたかったことは、決して左手を弾く必要性はない、ということではありません。

「左手を捨てれば、逆に得られるメリットは何か?」

これを考える発想を持つ、ということです。

 

両手でピアノを弾いてこそ、という曲をやる場合は現実的に両手必須な場合もありますが、そうでない曲も多いと思います。

聴く人は、アレンジが違う、と言うだけでも面白いと思ったり「え、これもいいじゃん」って意外となったりします。

これは「音源通りに弾くこととは別の魅力」があると言うことですね。

 

両手で弾くことが出来ない、あるいは少し難しい人は、右手だけで弾くことを恥と思わず、堂々と弾いちゃってください。

左手も弾かなきゃ、と無理に思っている人は、多重パート全てを弾こうと思わず、少し頭を柔らかくして自分が無理なく弾けるアレンジを考えてみてくださいね。

ライブにおいては、お客さんは

「音だけを聞いているわけではく、演奏者の表情や雰囲気も見ている」

これを忘れないでほしいと思います。

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